2018年度:電力会社の業績見通し(燃料費調整制度の期ずれ影響を意識しよう)

2018年度の1Qで示された各電力会社の業績結果は明暗が分かれました。

原発再稼働を実現している電力会社でも「電気料金の大幅な値下げ」を行っている場合には、それ相応の経常利益となりますし、原発再稼働を実現していない企業でも電気料金の値上げを行っている電力会社は相応の経常利益となります。

電気料金の値下げは、電力自由化により離れてしまった顧客が戻ってくることもあり売上高の増加という結果が得られるかもしれませんが、経常利益においては減収となる可能性が高く、非常にバランスが重要となるカードです。関西電力の場合、原発再稼働の実現の際に、いわば公約のように電気料金の値下げを主張されていたので、大幅な電気料金の値下げで経常利益がある程度悪化してしまう点は仕方がないとも言えます。

関西電力の「脱重油、脱原発と原発7基体制、最新LNG」に期待

しかし、原発4基体制を実現したことで、現在の猛暑が終わり異常な電力需要が落ち着けば、発電コストの高い老朽化した重油発電を関西電力は停止することができます。それによって、相対的に原発比率が高まり収支改善を見込めることができます。ただし、7/1から平均5.36%のさらなる値下げを実施することから、次の決算も見えにくい状況にあります。

いずれにせよ、関西電力という会社は「電力消費者、社員、株主」に対し誠意を持って最大限の努力をしていますし、静かに見守って応援したいと思います。引き続き、迅速な廃炉対応と安全審査に合格した原発のみ再稼働を実現し、環境と経済のバランスをとって頂きたいです

こちらは関西電力のキャッチフレーズですが、ステキだと思います。

また、2019年以降に原発7基体制となれば、CO2を多く排出する老朽化した発電コストの高い重油発電所を廃止して、最新LNG発電所の建設をして原発依存の低減と脱重油を期待したい。※  関西電力がすでに2015年と2017年に合計4基の原発を廃炉決定している点はすばらしい

さて電力会社の業績見通しを考える上でもう1つ大切な点を以下に書いてみたいと思います。それは「燃料費調整制度の期ずれ」についてです。

電力会社の燃料費調整制度の期ずれ影響を意識しよう

中部電力の1Qの業績ですが、売上高、営業利益、経常利益、当期利益の全てにおいてプラスとなり、素晴らしい増収増益となりました。

ところが、19年3月通期単体決算予想は当期600億円と下方修正することになりました。その原因は決算説明資料にもある通り「 燃料価格の上昇に伴う期ずれ差損の拡大 」となります。

中部電力は最新のLNG発電所を主体として発電を行っていることから、原発再稼働を行わずに大幅な黒字を出せる電力会社です。しかし、原油CIF価格や為替レートの見込みが大幅にズレてしまった場合には、燃料価格が大幅上昇してしまった場合には、燃料費調整制度の期ずれの影響を受けることなりますので、原油価格と為替は意識することが大切です。

下図は中部電力の決算説明資料の抜粋です。差損が大幅に増えていることが分かります。

と言っても、中部電力の2019年3月期本決算の経常利益の会社予想は 1000億円 であり、原発再稼働なしでここまでの利益を出せるのはさすがだと言えます。

こちらは発電効率でギネス認定された世界に誇る最新鋭の西名古屋火力発電所です。

中部電力の場合、今年度中に老朽化した発電コストの高い尾鷲三田火力発電所を廃止することが決定しており、引き続き地球環境の保全と経営効率化に着実な経常利益増に期待したい。

もちろん、どれだけ優れた経営戦略であっても、日本のすべての電力会社は火力発電の比率が最も大きいので「原油価格、為替、燃料費調整制度の期ずれ」は意識することが大切です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加