JT(2914)株の3つのリスク(ESG投資の潮流、国内で加速するタバコ離れ、海外の訴訟)

配当利回りが良く株主優待もあり、個人投資家に人気のJT(2914)株ですが、現在大きく3つのリスクがあります。これからJT株を買うことを検討している方は以下のようなリスクを認識した上で投資判断することが大切です。

JT株のリスク 1:ESG投資の潮流で投資撤退の影響が根強く残る

JT株は約1年前の2018年1月25日の高値(3,708円)からわずか二か月間で1000円近くも下落しました。この下落は低迷する業績を反映した結果によるものではなく、ESG投資による外国法人離れ(タバコ株の売り)が大きく影響しています。

ESG投資とは、環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のことです。ESG評価の高い企業は事業の社会的意義、成長の持続性など優れた企業特性を持つと言えます。

Source:http://www.daiwa.jp/products/fund/201802_ev/esg.html

これは一時的な戦略的な売り越しではなく、投資撤退(ダイベストメント)であることから、日経平均やTOPIXなど指数がどれだけ上昇しようが、ESG売りをした外国人が買い越しに戻る可能性は低いです。2018年1月25日の3708円からの大幅下落のなかで窓が開いていようが、その窓を埋める動きは発生しないと言えます。

もちろん、斜陽産業であるタバコ会社の業績が大幅回復するようなことになった場合には、PER、PBR、配当利回りに相応な株価に戻る可能性はあります。

JT株のリスク 2:日本国内で加速するタバコ離れ

喫煙率のピークは1966年の49.4%から毎年確実に減少しています。

JTの調査によれば、2018年は男性が27.8%、女性が8.7%、男女計17.9%となっています。

Source:https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121300647&g=eco

今後、2019年10月の消費税増税に伴う値上げ、2020年10月、2021年10月のタバコ税の増税に伴うタバコ値上げにより、確実に喫煙者は減少していきます。

ただし、タバコ増税により確実に喫煙者が減少する一方で、タバコ増税のタイミングでJT側で上乗せして値上げを行っていることから、売上は減る一方、利益は増える可能性もあるので、タバコ増税に伴うリスクについては、マイナス面だけではないと言えます。

JT株のリスク 3:健康被害に関連した訴訟リスク

本日、2019年3月3日のニュースで、カナダでJTが1480億円の賠償命令が下されました。

◆ JT、1480億円の賠償命令 カナダの健康訴訟で

日本たばこ産業(JT)は2日、健康へのリスク説明が不十分だったとしてカナダの現地子会社に対して起こされた訴訟の控訴審で、ケベック州控訴裁判所から約17.7億カナダドル(約1480億円)の損害賠償の支払いを命じられたと発表した。

控訴審判決は現地時間の1日付で、個人の原告らが1998年に起こした2件の集団訴訟に対するもの。JT子会社、JTIマクドナルドなど現地のたばこ会社3社に対し、「たばこ製品の健康へのリスクについて十分な情報を提供せずに販売した」などとして、損害賠償などを求めていた。

15年6月の一審判決では、ケベック州上位裁判所が原告側の主張を認めJTIマクドナルドに約20億カナダドル(約1672億円)の支払いを命じており、同社が判決を不服として控訴していた。

JT側は今後判決内容を精査した上で、「上告も含めあらゆる手段を検討する」としている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41974240S9A300C1EA5000/

訴訟問題は、このカナダだけでなく同様の訴訟は、南アフリカやイスラエルなど世界で約20件起こされています。この1480億円の支払は最終確定ではありませんが、同様の訴訟でJT側が敗訴していくとJTは莫大な損害賠償を支払わなければいけない状況に陥る可能性があります。

この賠償命令と賠償金額は最終確定ではないので、すぐに減配などのリスクが発生する可能性は低いと言えますが、このような訴訟リスクを認識しておくことは重要です。

2019年2月20日に国内の紙巻タバコ販売実績速報で、前年同月比3.6%増という前年実績を上回る結果となり、リスク2のプラス面である減収増益という良い流れが発生しただけでなくアイコスよりも優れた新型プルームエスなどの発売で、直近では追い風の状況ではありますがJT株に投資する場合は、上述のような3つのリスクを認識した上で高値掴みしないようにすることが大切です。以上、ご参考になれば幸いです。

参考:JT株主分布状況

Source:JT 株式・債権情報>株式の状況 2018/12/31現在の分布状況

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