2019年4月24日に原子力規制委員会が原子力発電所に設置を義務づけるテロ対策施設について完成期限の延長を認めないことを決めたことで、関西電力の株価は大きく下落しました。
再稼働した原発7基体制となれば、年間配当90円越えを実現可能ではないかと考えていた人は多いかと思いますが、ニュースを受けて1,751円から約3か月で1,182円まで下落しました。
現在稼働している関西電力の原発は以下の4基です。
・ 高浜原発 3号機
・ 高浜原発 4号機
・ 大飯原発 3号機
・ 大飯原発 4号機
ここまでの株価下落は、テロ対策施設の完成期限の延長を規制委員会が認めないことによってまるでこれら4つの原発が停止することを意味するのではないかと錯覚しそうなくらいですが現時点ではこれらの原発が同時に停止する状況にはありません。
関西電力の「規制上の期限」と「遅れる見通し」は以下の通りです。
関西電力の原発 | 規制上の期限 | 遅れる見通し | 稼働状況 |
高浜原発 1、2号機 | 2021年6月 | 約2年半 | 停止中 |
高浜原発 3号機 | 2020年8月 | 約1年 | 再稼働中 |
高浜原発 4号機 | 2020年10月 | 約1年 | 再稼働中 |
美浜原発 3号機 | 2021年10月 | 約1年半 | 停止中 |
大飯原発 3、4号機 | 2022年8月 | 約1年 | 再稼働中 |
以上のことから分かる通り、2022年8月に大飯原発が停止されるまでには、高浜原発3・4号機については対策工事が完了したおり、原発ゼロ状態は発生しないことが分かります。
また、2019年第一四半期の業績についてもコンセンサス予想を上回る結果となっています。
また、姫路第二発電所における最新鋭のLNG発電が稼働しており、火力発電だけでもある程度の利益が出せる状況になっていることも特筆すべき点です。
※ 既存5号機、6号機は2020年廃止予定