2020年1月17日 電力株レーティングと目標株価、原発再稼働の司法リスク

◆ 2020年1月17日  大和証券(5段階・1>2>3>4>5)

中部電力(9502):レーティング( 2→2 )、目標株価(1720円→1790円)

関西電力(9503):レーティング( 2→3 )、目標株価(1470円→1320円 )

中国電力(9504):レーティング( 3→3 )、目標株価(1330円→1440円)

北陸電力(9505):レーティング( 3→3 )、目標株価(720円→740円)

東北電力(9506):レーティング( 3→3 )、目標株価(1220円→1150円)

四国電力(9507):レーティング( 2→3 )、目標株価(1240円→1100円)

九州電力(9508):レーティング( 2→3 )、目標株価(1310円→940円)

北海道電(9509):レーティング( 3→3 )、目標株価(650円→490円)

原発再稼働 3社:関西、四国、九州電力の投資判断の引き下げ

現在、原発再稼働を行っている電力会社は以下の3社です。

・ 関西電力(9503)・ 四国電力(9507) ・九州電力(9508)

これら3社の投資判断とレーティングが引き下げられています。関西電力については、以下のコメント通り、これ以上の増配は厳しい見解が示されています。

同証券では、年間配当は20年3月期の50円/株から横這いが続くと予想。2019年3月公表の「関西電力グループ中期経営計画」において同社は定量的な株主還元方針を設定していないうえ、原発稼働の見通しや高浜原発に関する金品受領問題をめぐる動向を踏まえると、当面は株主還元の積極化は難しいと考えるとコメントしている。

また、規制委員会の決定により今年は以下の原発停止が予定されています。

・ 2020年08月:高浜原発 3号機(約1年間)
・ 2020年10月:高浜原発 4号機(約1年間)

2022年8月からは約1年間、大飯原発3号機と4号機も約1年間の原発停止も想定されており、本格的な業績回復や増配は2023年以降となる可能性があります。

あわせて、原発停止の司法リスクもあります。全ての原発停止に追い込まれた場合、前回同様株価1000円割れの可能性もあり注意が必要です。

四国電力については、まさに本日「伊方原発の運転差し止め仮処分を決定」となり株価が暴落しました。住民3人の訴えにより四国電力は莫大な損失を被ることになります。これが原発の司法リスクです。運転差し止めの仮処分が決定すると株価は暴落します。

◆ 四国電伊方原発の運転差し止め仮処分を決定-株価は8%超下落

2020年1月17日 14:10 JST 更新日時 2020年1月17日 15:25 JST

広島高裁が四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止める仮処分決定をしたと四国電が17日、発表した。同社は「極めて遺憾で、到底承服できるものではない」とし、速やかに不服申し立ての手続きを行う方針だ。

同高裁の決定は同原発の50キロ圏内に住む山口県の住民3人が申し立てた仮処分の即時抗告審で出されたもの。住民側は、地震や火山の噴火などに対する安全性が欠けるとして同3号機の運転停止を求めていた。

高裁決定を受けて四国電の株価は一時前日比8.5%安と、2017年12月以来約2年ぶりの日中下落率を記録。同6%安の957円で取引を終えた。同3号機(出力89万キロワット)は定期検査のため昨年12月から停止しており、4月27日の検査終了を計画していた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-01-17/Q48JMTDWLU6F01

原発再稼働なしで大幅黒字を実現して増配を続ける中部電力

中部電力は次の4点から、原発再稼働なしでも大きな利益を出せる電力会社になっています。

1. ギネス認定された最新鋭の高効率LNGを火力主体としており、原発の再稼働なしでも安定した大幅な黒字を実現することができる。現時点で司法リスクがない

2. 2019年以降はJERAによって大きな利益を享受することができる。JERAの収支水準として「 2025年度に純利益額2,000億円程度の水準 」

3. 2021年度には、重油、LNGよりも低コスト発電となる最新鋭の石炭火力発電所が武豊で稼働開始予定である。旧来の石炭火力より遥かにクリーンであり、そしてLNGよりも低コスト発電を実現して大きな利益を生むことができる。

4. 2020年代後半に経常利益2倍の目標としており、JERAの存在によって将来有望である。

そのため、電力会社の中で唯一投資判断が「2」となっています。また、目標株価は1790円となっており電力会社の中で最も高い目標株価となっています。また、2014年度から連続増配が続いており、2019年度と2020年度も増配が期待できます。

2019年度の年間配当は50~55円。2020年度の年間配当は55円~60円を予想しています。

電力会社の中では、原発停止リスクがなく増配が続いている中部電力が最も無難な投資先であると言えます。現在の一株利益を考えると現時点でも年間配当60円でも難しくない数字であると思いますが、それだけ堅実な経営を行っているとも言えます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加